本日、平安女学院中学校・高等学校に入学された生徒や保護者の方々に、謹んでお祝いと御礼を申し上げます。
本学は、あと3年で150周年を迎える歴史のある学院です。
西暦1874年(明治7年)に、日本に滞在中のウイリアムズ主教の要請により、アメリカの北東部のインディアナ州サウス・ベンドから、ミス・エレン・G・エディが来日され、世界から遅れていた日本の女子教育に当たることになりました。
ミス・エディが来日する時代には航空便も無く、サウス・ベンドから乗り心地の悪い大陸横断鉄道に乗り、1週間かけてサンフランシスコに到着しました。
それからが大変な船旅で、船酔いに苦しみ、約30日後に横浜を経てウイリアムズ主教と共に大阪の川口居留地に到着されました。ミス・エディが来日されたときは33歳の若さでありました。
1875年(明治8年)に、大阪の川口居留地で、『エディの学校(Miss Eddy’s School)』を発足させました。当時の生徒は3名の女子でした。
1880年(明治13年)に照暗女学校(セント・アグネス・スクール)と校名を変えて、ミス・エディの帰国後も生徒が増加し、アメリカ聖公会からの寄付により、京都に校地を購入し移転することになりました。土地購入にあたる種々の困難を乗り越え、聖書の「汝らに平安を与える」というお言葉から、1894(明治27年)に校名を照暗女学校から「平安女学院」と変えることになりました。
太平洋戦争等、国内外で種々の困難がありましたが、今日まで歴史を積み重ねることができたのは、平安女学院を愛して応援くださっている皆様のおかげと喜んでいます。
今後も、次に掲げる「建学の精神」や「ミッション宣言」を教職員一同が遵守し、校務に励んでまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
≪建学の精神≫
知性を広げ、望みを高くし、
感受性を豊かにし、そして神を知らせる。
≪ミッション宣言≫
平安女学院は、21世紀に生きる夢のある学院として、輝くビジョンを旗印として掲げ、 教職員は魅力ある人間となるため、常に研鑽に務め、危機感を持ち、勇気と創造力により改革を推進します。
全学院が一致協力のもと、中高大一貫教育を進めるための、教育課程を根本から見直すと共に、夢のある学科コースの創造に務めます。
労使協調のもと、健全な財政に基づき、教学の強化発展を図り、 建学の精神であるキリスト教の教えに立ち、心身ともに自立し、日々変革する社会に適応しながら、感受性豊かで知性と愛のある女性を育成します。
ステパノ 山岡 景一郎
2022年4月11日