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【校長メッセージ】2017年度 No,9

中学高校とも卒業式が終わりました。その式で私は卒業生の「成長ぶり」を称えました。 教師にとっての喜びはみなさんの成長を支え、励まし、その成長を目の当たりにできることですから、今年度もたくさんの喜びを与えてもらいながら卒業生を送り出しました。 さて、みなさんも、1年前と比べて、一まわりも二周りも成長しました。 その実感を自分で受け止められていますか。体の成長や、教科の成績のように数字で示される部分の成長は分りやすいものです。しかし、今までとは違うものの考え方や、行動の仕方などの成長はじっくり見つめないと分りにくいかもしれません。新学期を迎えるまでに自分の成長を、家族や先生・友人たちの声を聞きながら確認しておきましょう。それが、自分を肯定し、次にチャレンジする自信と成長につながるのです。 ところで、日本は司法立法行政の3権ともに重大な問題を抱えています。立法と行政は森友学園への国有地売却決済文書の改ざんをめぐり大荒れです。司法の分野では東京電力福島第一原発事故をめぐる訴訟が行われ避難者への賠償をめぐり責任の所在を問う判決が出されています。スポーツ界でもしかり。列挙すれば徹夜で語っても足りないくらい山済みです。何が真実か何が正義か分らないことだらけです。こんな時代に生きていくためには自ら考え、判断する力が必要な事は言われるまでもないことです。 そこで、みなさんにもっと豊かに大きく成長してもらいたいので「自分で考え、判断すること」についてお話します。 みなさんは聖書にはたとえ話が多いなあと思ったことはありませんか。身近な自然や、生活に密着したたとえがたくさんでてきます。イエス様が考えていることや知っていることを伝授すればいいのにと思いませんか。実はそうしない理由があるのです。それは、たとえ話を聞いた弟子たちが、その意味について自分の頭を使い考えさせようとしたからだそうです。 また、さまざまな奇跡や身技を弟子に体験させています。それも、体験を通して考えたりすることを大切にしているからだそうです。 また、幅広い分野にわたっての学習を弟子たちに提供することで、愛を実現させるために、どうすることが重要かについて判断できる力を養うようにしています。つまり自ら考え判断することをイエスは弟子に求めたのです。 つまり、みなさんには、なぜ何を何のために学ぶのか、キリスト教の学校で学ぶ意味と目的を理解して学習に打ち込んでほしいと思います。フィリッピの信徒への手紙1章9節と10節はこう記しています。 「知る力と見抜く力とを身につけて、あなた方の愛がますます豊かになり、本当に重要なことが見分けられるようになりますように。」分りやすく言えば、「自分と隣人を大切にすることができる人間になるためには、何が重要であるかを自分の頭で考え判断できる力が必要です。そのためには様々な分野の学問・知識を獲得して、その知識を活用してとことん考えぬく習慣を身につけましょう。となります。 さあ、新学期から、自分の成長のために新たな気持ちで元気に学習に臨んで下さい。 そのためには健康に十分気をつけて春休みを過してください。これで終業式のお話しとします。
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