日々感染者数が増加する中で、無事に1学期が終えられるようにと祈る思いでこの日を待ちました。100年に1度といわれる感染症の世界的感染拡大は、私たちの生活全般にわたり大きな影響を及ぼし、従来の「当たり前」が通用しなくなりました。学校においても例外なく従来通りが一変し、楽しみにしていた行事が次から次へと中止になった1学期です。
今回のような予期せぬ逆境においても、置かれた状況から学ぶことができる存在が人間です。
人間は学習を通して状況を好転させる知恵と方法を見出せる存在です。従って、このコロナ感染症においても、今後よりよい感性防止策を生み出していくはずです。ところで、今回の感染症の発生は地球環境問題が無縁でないと言われています。そうであれば、私たちは、感染の終息期を迎えるまでに地球環境をこれ以上悪化させる生活は改めるような生活習慣を身につけていくことも大切です。当面は温暖化防止の対策です。私たちができることはたくさんあります。例えば、エコマーク・エコラベルが付いた製品を購入すれば温室効果ガスの削減ができます。そんな努力が今、地球上の生物を守るために求められる時代になっているのです。コロナ禍はこんなことも私たち人類への警告としているようです。
そこで、私たちの行動つまり習慣についてお話しましょう。夏休みは習慣を付けたり、変えたりする絶好の機会ですから。言うまでもありませんが、習慣とは自分自身が実行している「決まりきった行動」のことです。習慣には、意識して身につけたもの、知らず知らずのうちに身につけたもの、自分で決めたもの、親兄弟に言われて身についたものなど長い時間をかけて身についた行動で、さまざまな分野にわたります。「是非とも続けたい習慣」「どうしても改めたい習慣」「意味ある習慣」「どうでもいい習慣」などがあります。ところで、あなたは自分自身の習慣を今言った内容で分類・整理したことがありますか。先生方からは、「家庭学習の習慣をつけてください」「規則正しい生活習慣が大切です」などいろんな場面で言われてきた人もいるでしょう。私の場合は、子どもの頃、絵を習っていたため、絵の具のふたをきちんと閉めることを習慣にしなさいとよく母から注意されたものです。どんなことも習慣になれば、それを行なう上で、気持ちの負担がそんなにかからずに、容易くできてしまうから、習慣を身につけたり、習慣を変えたりすることが大切だといわれるのです。ヨーロッパでのベストセラーで、「習慣を変えれば人生が変わる」という書籍がありますが、私は、そこまで大袈裟なことを言うつもりはありません。ただし、自分を知る。自分をより良くしたいと思う時には、習慣を見直してみることもいいと思うのです。新しい習慣を身につけるためには先ず3週間は必要です。その習慣を3ヶ月続けられればまずまずです。頑張らなくても当たり前のようにその行動できるようになり、習慣化できます。夏休みから始めれば、今年の暮れには新しい習慣が身につけられています。新しい自分スタイルを作ることができますから、チャレンジしてみることをお勧めします。
私は生徒のみなさんに、行動する大切さを事あるごとに伝えています。世の大人たちの中には、不平不満や愚痴をだらだら言う人がいます。言うばかりで、問題を変えるための行動をおこせない人がいます。私はみなさんにそんな大人にはなってほしくありません。自分自身のこと、周囲の人々のこと、社会問題に関心を持って、そこに働きかけられる行動力のある人になってほしいと思います。そのためにも、自分を知る、自分を変える一つのキーワードとして、夏休みを「私自身の習慣」についても考える機会にして欲しいと思います。
では、コロナ感染症など健康に十分気をつけて夏休みを過ごしましょう。