終業式ってなぜするんでしょうね。当たり前に経験してきたことの一つ一つにどんな意味があるのか考えるととっても面白いです。調べても答えが見つからないものが出てくると、自分なりに意味付けなんてして、納得したりしなかったりして頭の中の掃除に余念がない1学期を過ごした私ですが、みなさんはどんな1学期でしたか。私は、みなさんが新しい学年の最初の学期が楽しく過ごせたかとても気になります。特に今年は高校生の授業を担当していないので、高校生の様子は分かりづらく、廊下ですれ違った時の服装や表情や態度でしか状態をうかがうことができません。そんな中で、みなさん一人一人と対話ができたらいいのにと思って過ごしていました。
そこで、今日は、みなさんに身に付けて欲しい「3つの力」の1つである「対話する力」の前提となる言葉についてお話します。
まず、「12歳までに知っておきたい言い換え図鑑」から紹介します。その前に、私はきっとこの本を読み終わったら、反省の井戸に放り込まれた感じになるだろうなあと心して読みました。案の定、反省パンチの連打でした。本の最初には、「NG言葉を知ろう」とあります。こんな問いかけがどんどん続きます。「否定の言葉」で指摘していないかな?「責める言葉」を失敗した人に使っていないかな?「相手が嫌がる言葉」で評価していないかな?「心を遠ざける言葉」を使っていないかな?「お願いの言葉」を相手の事を考えて言えているかな?「押し付け言葉」「拒絶の言葉」はどうかなあと。
例えば、否定の言葉はこんな感じです。
「アポカドっておいしいね」「違うよ。アボカドだよ」
次に、人を遠ざける言葉としては「ほっといてよ」「うるさいな」
そして、お願いの言葉では、「やってくれてもいいんじゃない」「どうせ聞いてくれないでしょ」
などですが、ではどう言い換えたらいいかな。
間違いを指摘する場合に「もしかして、アボカドの事?」って質問に変える方法にすると、相手は馬鹿にされたと思って傷つかないというのです。では、「ほっといてよ」は、「ありがとう、でも今は一人でいたいの」と心配してくれた感謝を伝えるわけです。お願いの場合は、「やってくれてもいいじゃない」の言い換えはこうです。「やってくれたら嬉しいんだけど」「あなたが得意だからお願いしたい」どうですか。同じ思いや気分を伝えるにしても、言葉を一つ足して言い換えればこんなにも違うのかと思わされるものがいっぱいのっている「12歳まで知っておきたい言い換え図鑑」でした。
さて、言葉は人を生かすことも殺すこともできる威力を持っています。誰でも一度や二度どころか何度も、言葉が過ぎたり、言葉足らずのために、友人や家族との間でトラブルが起きた経験を持っているでしょう。それは、ちょっとした伝え方の工夫、言い換えを学ぶことで解消できる事ってたくさんある訳です。私たちは使った言葉には、責任を持たなければならないのです。間違いだったら認める。本心でないなら何が本当の気持ちかを伝える。なかったことにはできないが、言い換えてやり直すことはできる。こんな当たり前のことができるようになれば、私たちは自分も相手も気持ちよく、安心して自分の考えや気持ちを伝え合えるコミュニケーションができるでしょう。言葉で作る人間関係力を、言い換え力をアップして自分の考えを発言・発信・行動できるようになってくれたらいいなあと思います。
最後に1学期の経験を通じて成長できたことを自覚できていますか。自分で自分を褒める力も向上できるようにこの休み中も様々な経験を積んでいくように異常なほどの猛暑に気を付けながら過ごしてください。そして、2学期また、一回り成長した姿を見るのを楽しみにしています。
2023年7月18日