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4.222026
2026年度1学期始業式あいさつ
昨日185名の新入生を迎え、2026年度が始まりました。新しいクラス、友だち、先生との出会いに、少し緊張している人もいるのではないでしょうか。
まずは、皆さんがこの春を迎えられたことに、心から「おめでとう」と伝えたいと思います。
本校の校庭には、毎年美しく咲く桜があります。 しかし今年も、温暖化の影響ですでに葉桜になってしまいました。
満開の桜を背景に記念写真を撮れないのは残念だろうと思い、今年は見頃の日に副校長先生と一緒に、入学式の看板を校庭に立てて写真を撮りました。 QRコードで読み込めば、満開の桜と一緒に“合成写真”ではありますが、記念の一枚を残すことができます。
「本物じゃないから意味がない」 そう思う人もいるかもしれませんが、私は、“工夫してでも、皆さんに春の喜びを届けたい”という思いが、この一枚には込められていると思っています。
桜は、ただ咲いて散るだけではありません。 その姿を通して、私たちに「今を大切にしなさい」と語りかけているように感じます。
この春、私は、桜と本校を結びつける、とても温かいメールを受け取りました。九州の病院からのメールには、
「新学期ですね。わくわくしながら素敵な制服(昔の制服)に身を包み赤いレンガの校舎に入ったことは、80年も前のことなのに、今でも覚えています。 手術の日に思い出したのが、平安女学院高校を卒業した、思い出の多い日でした。」
入院生活でお花見に行けないその方のために、全国の友人や、ソウルに住む友人が桜の写真を送ってくれるそうです。 「オンラインですが、今年もお花見ができています。回復したら、もう一度学校に行きたいです。」 そう綴られていました。アメリカに住む卒業生からは、
「校庭の桜の写真が友人から送られてきました。5月に帰国したら、真っ先に学校に行きます。」
遠く離れた場所にいても、桜を見ると母校を思い出す。 それは、この学校で過ごした時間が、その人の“いのちの記憶”になっているからだと思います。
平安女学院は今年151年目を迎えました。 150年という大きな節目を越え、新しい歩みが始まりました。では、その歴史をつくるのは誰でしょうか。それは、今ここに集う皆さん一人ひとりです。 そして、皆さんを支える教職員です。
桜が毎年違う表情を見せるように、学校の歴史も、皆さんの姿によって毎年変わっていきます。 皆さんの言葉、行動、優しさ、勇気が、この学校の“未来の姿”を形づくっていきます。
私は今年度、皆さんに改めて伝えたいことがあります。 それは、「いのちを大切にする」ということを、もっと深く考えてほしいということです。
「いのちを大切にする」と聞くと、 「自分を大切にすること」 「友だちを傷つけないこと」 そんなイメージが浮かぶかもしれません。
もちろん、それも大切です。 でも、もう一歩踏み込んでほしいのです。 いのちを大切にするとは 自分の気持ちをごまかさないこと 誰かの痛みに気づこうとすること 違いを排除せず、尊重すること 困ったときに「助けて」と言えること 誰かが助けを求めたときに、そっと手を差し伸べること
これは、皆さんがこれから生きていく社会にとって、欠かせない力です。今、日本でも世界でも、さまざまな不安が広がっています。 災害、経済の揺らぎ、国際情勢の緊張。 ニュースを見ると、心がざわつくこともあるでしょう。そんな時代だからこそ、 「愛と平和を実現する人になってほしい」 これが、私の願いです。
愛とは、誰かを思いやること。 平和とは、誰かの尊厳を守ること。 そしてその始まりは、身近な人を大切にすることです。
大きなことをしなくてもいい。 今日、隣の人に優しい言葉をかけること。 困っている友だちに声をかけること。 自分の弱さを認め、誰かに相談すること。その一つひとつが、平和の種になります。
桜は、散るからこそ美しいと言われます。 でも私は、散る前の一瞬の輝きだけでなく、 散った後にまた芽を出し、花を咲かせるその“いのちの強さ”こそ、美しいと思います。
皆さんも同じです。 失敗しても、落ち込んでも、うまくいかない日があっても、 また立ち上がる力を、皆さんは必ず持っています。
どうか、この一年を 「自分を大切にし、周りの人を大切にする一年」 にしてください。
そして、151年目の平安女学院の歴史を、皆さんの手で、温かく、美しく、力強く刻んでいってください。
校庭の桜は、今年も変わらず咲きました。 その桜の下で、皆さんが笑い、悩み、成長していく姿を、私たちは心から応援しています。


