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2024年度入学式 保護者会長挨拶

本日は、ご令嬢の平安女学院中学校高等学校ご入学まことにおめでとうございます。

高等学校の入学生は3年間、中学校の入学生は6年間をこの平安女学院に通い、学び、成人となり、卒業し巣立ってゆく日までを過ごすこととなります。

昨今、私達をとりまく状況は日々めまぐるしく変化しています。

なかでもAI技術の進歩はめざましいものがあり、将来的には私達が現在担っている職業の大部分を人工知能が補い、占めていく、という研究結果も出ています。

では、これからの世界を生きていく子どもたちが身につけるべき学問・教養は何か?

ということを論じたコラムを先日読みました。そこには、これからの子どもたちが身につけておくべき学問は“哲学”であるとありました。実際、世界のなだたるインターネットやコンピューター関連企業、アップルやグーグル本社には哲学者のチームがあり、新規開発プロジェクトの場で活躍しているそうです。コンピューター技術とは全く対極にあると思われる学問、哲学がなぜこれからの時代を生きていくうえで必要なのか、私なりに考えてみました。

AI 人工知能は何千、何万という考えや意見を1に集約することはできます。しかし、0から1を生むことはできません。なぜなら、そこには参考にすべきものがないからです。

0から1を生むもの。それは人の考える力、深く考え抜く力です。

平安女学院の学びのなかで、校長先生をはじめとする先生方がとても大切にされ、その教育に力を注いでおられる教科に総合、社会科目があります。

生徒たちは、自分の身の回りのことだけでなく、日本全体ひいては世界を取り巻く様々な問題について、調べ、考え、時に討論し、自分の意見、考えを持ちます。

それは、学校がそういった学びの場を提供してくださるからです。

わたくしたち保護者もその学びの片翼を支えるべく、家庭内でも様々な問題に対し、子どもたちと話し、意見を交わし、彼女らの視点からの考えを学び、彼女らが今よりももっと深く考える、哲学的思想を持つ手助けをすべきではないでしょうか?

哲学的思想を持つということは、訓練なくして、身につくものではありません。

なにかに疑問を持ち、調べ、考察し、何度もそれを繰り返し、最終的に自分なりの考え、意見をもつことは容易にできることではありません。しかし、それができる人間として成長することは、未来を生きる彼女らの核となります。

もうひとつ、宗教的教えが導く哲学的思考もあります。

平安女学院で学ぶ彼女らは学校生活のなかで、日々聖句に触れ、その意味を考えます。

聖句の言葉の深いところにある意味を探り、自身の内面を見つめ、心の中で自分にとってその言葉の本当の意味を見いだす作業は、真理を求める哲学的思考です。

自分のなかに、揺るぎない信念、芯をもった人間に成長することは、生涯を幸せな人として生きていくうえで欠くことのできない資質です。

保護者と学校が両方の翼となり、生徒たちの成長を応援してまいりましょう。

「保護者は最強の応援団」これが平安女学院中学校高等学校保護者会のスローガンです。

何か、子どもとの関係に悩むことがあれば、担任の先生方を始め、学校に相談しましょう。

小規模な平安女学院の良さは、先生方との距離が近い、ということです。先生方は子どもたちをよく見ていて下さいます。何か通常と違う、違和感があれば、まず先生方に学校での様子を聞いてみて下さい。学校と親が協力して、子どもが抱えている問題と向き合い、時に見守り、時に語り合い、時に支え合うことで必ず道は開けるはずです。思春期の柔らかく、傷つきやすく、ときに残酷なまでにまっすぐな10代の彼女達の成長の道は平坦なものではないけれど、深く考える力を育てながら、見守っていこうではありませんか。

最後になりましたが、子どもたちの学校生活をより豊かなものとするために、保護者会は活動しております。みなさまのご理解ご協力をたまわりますよう、今後ともよろしくお願い申し上げます。このように同じ時に同じ学校に子どもを通わせるというご縁を賜りましたことに感謝して、ご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

 

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