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3.92018
【校長メッセージ】2017年度 No,7
第70回 高等学校卒業式告辞
卒業生のみなさん 卒業おめでとうございます。
保護者のみなさん お子様のご卒業 心よりお祝い申し上げます。
さて、卒業生のみなさん
あなたは、3年または6年、ここ平安女学院で学び、心身ともに健やかに成長されました。
今日卒業に当たりまずその成長を喜び合いたいと思います。
そして、今日という節目にあなたは自分自身の成長をしっかり自覚し、自分で自分をたくさん褒めてください。「諦めないで私はよく頑張った」「あの時私は辛かったけどよく耐えた」「あの日、悔しい思いをしたけど我慢できた」など過ぎし日のことを思い起こし、自分に丸印をつけてください。あなたについたたくさんの丸印、つまり自己を肯定する力がこれからあなたが物事にチャレンジする時の力となります。
では、巣立っていくあなたに、是非心に留めておいてほしいことを伝えます。
それは、平安女学院高等学校という学校で学んだ意味についてです。
あなたは、この学校で自分が見捨てられたと思ったことがありましたか?
あなたは、この学校であなたさえ良ければ人はどうでもいいと教えられましたか?
そうでなかったと思います。時には先生から厳しく叱られたこともあったでしょう。私の気持ちは先生には分ってもらえないと思った時もあったでしょう。しかし、学校は、ただの一度もあなたを見捨てたことはありません。「人はだれであっても、どんな時でも大切にされなければならない存在」であることを、私たちの学校では教育してきたのです。これがキリスト教の愛の教えです。
長い人生には予期せぬことが起こるものです。楽しいことと同じだけ苦しく悲しいことがあります。和氣先生の死もそうでした。もしもあなたが生きづらさを感じることがあれば、思い出してください。あなたを、支える力は愛であるということを。あなたが感じている以上にあなたを包む愛が大きいということを心に留めておいて下さい。
最後に最も大切なことを伝えます。
あなたが幸せに生き続けるために、そして、あなたの大切な人も幸せに生きるためには、世の中が戦争のない平和な社会でなければならないということです。戦争はすべてを破壊し、消失させます。あなたが生きる未来の世界は、平和を維持するために人びとの多大な努力が必要になるでしょう。今この瞬間にもシリアでは爆撃の中を逃げ惑う子どもたちがいます。核戦争の脅威など人類滅亡の時を知らせる世界終末時計の針が過去最短の2分に進みました。この針をもどせるのは、紛れもなく平和を願う人々の行動でしかありません。
愛と幸福と平和は一身胴体です。愛と平和を大切にするこの学校の卒業生として、平和を守る人としての歩みを進めてください。先日校庭にアンネフランクの父から贈られたアンネのバラを株分けしていただき植えました。みなさんの成長と同じく、花が咲くのが楽しみです。
あなたが「地の塩、世の光」として、幸多き人生を歩まれることを祈り、告辞と致します。