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2022年度 第75回 高等学校卒業証書授与式 あいさつ

卒業生の皆さんおめでとうございます。
保護者の皆様、今、ここに、これほどまで成長された姿を目の当たりにして感無量のお気持ちでいらっしゃる事と存じます。お子様のご卒業心よりお祝い申し上げます。また、この間の一連の学院を取り巻く事情についてご心配ご迷惑をおかけして申し訳ございません。卒業生には昨日、私の気持ちを伝えました。

さて、卒業生の皆さん。
はじめに、私は皆さんに感謝の気持ちと、お礼を伝えたいと思います。 皆さんの高校生活3年間は、コロナパンデミックを抜きに振り返ることができません。そのために学校生活が制約だらけでした。高校生になったらこんなことも、あんなこともできるようになる。期待して楽しみにしていたことでしょう。それがスタート時点から挫かれました。入学式もなく、新しい友との出会いもないまま、慣れないオンライン授業で混乱させたり、登校可能になってからも、「3密」「黙食」など生活形態の変更を迫られたり、その上、楽しみである行事は中止など、感染防止とはいえ多くの我慢を強いてきました。皆さんがどれほど悔しい思いをこらえたか分かっています。しかし、その思いさえもバネにして、やがて来るだろう「当たり前の日常」を願い信じて、制限された環境の下で、「従来」にこだわらず「新しい形」を模索し作り出していく、柔軟で逞しいその姿にどれほど感心した事か数知れません。その象徴的な一つが、多くの人々に感動を与えたクリスマス・カンタータだったと思います。本当にありがとう。感謝しています。

ところで、私は、皆さんに3年間伝え続けてきたことがあります。そして、旅立つ今日も伝えます。

1つ目は、「愛の実践者」として生きと欲しいということです。
人は、誰もが生きてさえいれば、生きていて良かったと思うことが必ず何度かあります。
どんな時に、生きていてよかったと思うかは人それぞれの価値観が左右します。地位や名誉や財産を得た時にそう思う人もいるでしょう。しかしみなさんには、「あなたがいてくれたから良かった」「あなたのおかげで助かった。」「あなたがいたから楽しかった」「あなたが、私の悲しみを乗り越えさせてくれた」と、言ってもらえる人になってほしいと思います。そして、その一言があるたびに「ああ生きていて良かった」「生まれてきて良かった」と思える人であって欲しいと願います。そんな価値観を持って生きる人を、私は「愛の実践者」だと思います。

2つ目は、「平和を作る人」として生きて欲しいということです。
ロシアによるウクライナ軍事侵攻から、丸1年たちました。連日、戦禍を被る人々の姿が映像で流れます。戦闘機からも戦車からも容赦なく発射される銃弾は、町を破壊していきます。銃弾に倒れた人々の数は日ごと増えています。
私は、この1年間みなさんに届けた誕生カードには「天に星、地に花、人に愛」と記しました。空には戦闘機はいらない。地上には戦車も地雷もいらない。星が輝き、草花が咲き、人々があらゆる違いを超えて共に助け合いながら生きる社会への願いを込めて書き続けました。「天に星、地に花、人に愛」これが「平和な社会」です。その平和は不断の努力なしに実現できません。みなさんの未来が、幸せであってほしいと、強く願えば願うほど、平和な社会で愛を実践する人々が大勢いなければなりません。
みなさんには「愛と平和」を大切にしているこの学び舎で獲得されたこれらの教えを生涯胸に刻み、「生まれてきた喜びと、生きている幸せ」を実感しながら人生を歩んでほしいと願います。
あなた方は、私の誇りです。さあ、次のステージにたつために、平安女学院高等学校卒業おめでとう。

2023年3月1日

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