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2022年度 第76回 中学義務教育課程修了式 あいさつ

卒業生のみなさん、卒業おめでとう。
保護者のみなさん、お子様のご卒業おめでとうございます。

さて、今日この日をもってみなさんは9年間の義務教育期間を終えました。この期間は世界人権宣言や各国の憲法・法律に明記されている通り子どもに教育を受けさせる義務を保護者が果たす期間であると同時に、みなさんにとっては、教育を受ける権利が保障された期間でした。小中学校の9年間は、自分の個性を見出し、その個性を生かして幸せに生きていくために、教科の学習・学校行事・友人との交わりなどの能力の基礎を作る期間だったのです。

ところで、みなさんの中学校3年間は、コロナ禍の中で、学校生活も学習環境も制限が多くて、コロナ以前には学習できていたことができなかったことも確かにありました。しかし、コロナ禍に直面して始めて体験して感じたことや考えられたこともたくさんあったはずです。「これができないならば、これをしてみよう。」「あれがダメならば、やれる方法を考えよう。」など許される環境の中で、従来の在り方を、作り変えることにチャレンジしてきました。それは、みなさんに限った事ことではありません。
世界中の人たちは、コロナ禍の制限の下で、「本当に大切なことは何か」、「本当に必要なことは何か」を考えながら、残すものと捨てるものを取捨選択した生活を送りました。
つまり、コロナ禍は多くの人々に「どう生きるか」という問いを突き付けました。同時にコロナに関する各国の対応の違いも見聞して政治についても考えることができた期間だったと思います。
みなさんがこれから進もうとする高校生活では、平安女学院中学校で学び取った2つの心を大切にしてください。1つは「人を大切にする心」です。もう1つは、あなた方が研修旅行の長崎の地で決意したことです。このような宣言をしましたね。「私たちにできる事、それは長崎・広島の原爆の恐ろしさを学ぶこと」そして、「長崎が最後の被爆地になるように、平和に向かって歩き続ける事」、この心です。この心をもって平和の作り手としての、平和学習を引き続き行ってください。
最後に、すでに、みなさんの未来の形が示されています。それは、国連で採択されたSDGsです。ここに示された17の目標は、「ポストコロナの道しるべ」でもあります。
地球という1つの星に同時代に命を得た者たちが、誰一人として取り残されず人間の尊厳が守られる社会。そんな社会を作り上げる核になる青年の一人があなたです。

生きるとは学ぶことです。高校というステージにおいて、「いかに生きるか」の問いを大切にして自らの学習する権利をしっかり行使した生活を送ってくれることを期待して、お祝いと激励のメッセージといたします。

2023年3月15日

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