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【校長メッセージ】2023年度 始業式 あいさつ (1学期)

新入生181名を迎えて、中学生 187名 高校生414名 教職員98名で2023年度が今、スタートしました。新年度を迎えると、浮き浮きする気持ちと裏腹に、緊張もします。不安にもなります、もちろんそんな気分にならない人もいるでしょう。どんな気持ちでも、新しい学年に臨む「心の支度」はもうできているでしょうか。

ところで、新年度の始まりにあたって、「権利」について考えて欲しいので少しお話します。
それは、子どもの権利保障に積極的でなかった日本社会が変わるための一歩をこの4月に踏み出し「子ども家庭庁」を設立したことにも関連しています。設立の基本的な考え方はこうです。
「常にこどもの最善の利益を第⼀に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えて、こどもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野にいれ、こどもの権利を保障し、こどもを誰⼀⼈取り残さず、健やかな成⻑を社会全体で後押しする。」とのことです。正直、人権保障について日本は遅れている面が多い国ですから、これってホントにできるのかなって疑問に思うのですが、これを機会に、まず、みんなで再確認した上で、この考えを学校で実現させるとすれば学校はどうあるべきか考えたいです。再確認する点は、あなた方は、かけがえのない人間として生まれたと言うこと。そして、一人ひとりが、その人らしく幸せに生きて、お互いに意見や気持ちを大切にしながら、家庭でも、学校でも地域でも、安全に安心して生活する権利があると言うことです。この権利を簡単にまとめましたら「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」になります。

では、学校において考えてみましょう。
「命が守られ、安全・安心して学校生活が過ごせること」〈生きる権利〉です。次に、〈育つ権利〉とは、「自分を成長させるために分かる授業を楽しく受けられ、各種行事を楽しめること。そして疲れたら休めること。失敗しても何度でもやり直せること」です。では、〈守られる権利〉とは、一人ひとりの違いが認められ、自分が大切にされること。いじめや体罰、虐待や偏見・差別から守られること。困った時には安心して相談できること、体や心が傷ついたら回復するまで手当てをしてもらえることです。最後に〈参加する権利〉は、自分の意見が大切に受け止められること。みんなで話し合えること。考えや感じたことが自由に表現できること。社会の一員として社会活動に参加できることです。さて、いずれも当たり前のことですが、みなさんはこれらの権利が保障されている実感がありますか。もし、ない人が一人でもいたらそれは、改善することが必要です。

例えば、私たち教師は、「分かる楽しい授業」を皆さんに提供するために、授業の改善に取り組んでいます。また、皆さんが困ったことがあれば、皆さんの気持ちを受け止めようとして話を聞きます。また、いじめや差別が起きないようにするためには、日頃からさまざまな取り組みを行います。
では、みなさんはどうでしょう。身近なことでは、クラスメートが悩んでいたり、悲しんでいるようだったら、見て見ぬふりや、気がついているのに気がつかないふりをせずに声をかけますね。また、本校に限らず、多くの学校の中学生や高校生が、校則の問題や、平和の問題について話し合ったり行動したりしています。みなさんには、賢い平安女学院の生徒として、権利とは、自分勝手好き放題できる事ではなくて、みんなが幸せになることが前提であることをよく理解して、「すてきな学校」にしていくために、一人ひとりが自らの権利を行使して、発言行動して欲しいと思います。今年度は権利を意識してみて欲しいと伝え、始業式にあたってのお話を閉じます。

2023年4月8日

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