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3.182025
【高校】2024年度 第77回 高等学校卒業証書授与式 あいさつ
卒業生のみなさん 卒業おめでとうございます。
保護者の皆様、お子様のご卒業をお祝い申し上げます。
卒業にあたりみなさんに最後の問いかけをし、それをメッセージといたします。
1つ目の問いは、「あなたは、成人としての心の支度は整いましたか」と問います。
この国が、選挙年齢を18歳に引き下げ、各種契約を18歳で可能としてから、日はまだ浅いです。成人年齢の引き下げと、大人になるための教育はセットですが、教育は後手になり不十分としか言えませんが、みなさんは紛れもなく大人として今、高校を卒業していきます。
そこで、大人とは何かを心に留めておくために、ある詩人の教えを伝えておきましょう。
「出来上がったどんな権威にも縛られず、流れ動く多数の意見に惑わされず、とらわれぬ子どもの魂で、今あるものを組みなおして作り変える それこそが大人の始まり」と教えてくれています。この一文を、「成人としての心の支度」として私からのメッセージとします。
2つ目の問いは、「あなたは、愛と平和を大切にできる人として成長できましたか」と問います。この国は、世界に誇る平和憲法を持ち、80年間戦争のない状態を維持してきました。また、唯一の被爆国として、人類が二度と核兵器の被害にあわないように核廃絶を呼びかける使命を持っていることを昨年のノーベル平和賞で確認されました。しかし残念なことにこの使命を政府は果たしていません。そこで、愛と平和の大切さを伝え続けてきている本校の卒業生として、みなさんには、核兵器の脅威と核の犠牲となった人々の無念の思いを世界の人々に伝えられる人になってほしいと願っています。「ノーモア広島・ノーモア長崎」この願いをメッセージとします。
最後の問いとメッセージは、あなた自身が、いかに生きるかを自分自身に問うことです。
世界に限らず、人と人、国と国を分断する価値観が恐ろしいほど広がっています。日常の些細な言葉や行動が、多様性を認め、共に生きる社会を壊しています。
この現実を変えて、みなさんが生きていきたい未来を築いていく生き方を想像してください。皆さんの想像力こそが、何かを実現させる力なのです。人類が想像力を働かせてこそ不可能を可能にさせてきた歴史があります。
では、3年間または6年間での学びを糧に、自ら選んだ道を歩んでください。
「さあ、行ってらっしゃい」